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《へなまめ星人の手帖》

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モノシルは知りたがり。お話しのつづき。

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「どうして穴の中に落ち込んでいたんだい?」

モノシルさんは、穴を覗きこみながら、聞きました。


どうして、穴に落ち込んでいたのか。

ヘナマメは考えました。

もう長いこと落ち込んでいたので、

どうしてだったのか、覚えていないのでした。


「なにか嫌なことがあったのかもしれないし、

周りのみんなが幸せで、

それはとても素敵なことなんだけれども、

自分には何もなくて、

まるで空っぽみたいに感じられて悲しくなったのかもしれない」

ヘナマメは、そう答えました。


すると、モノシルさんは、また聞きました。

「空っぽだと、なにか都合が悪いのかい?」


カラッボだと、なにか都合がわるいのかい?


ヘナマメは、また考えました。

「幸せなものを、たくさん持っている方が、幸せだと思うから。

からっぽだと、見せることも出来ないよ。」


すると、モノシルさんは、また聞きました。

「ほんとうに、たくさん持っている方が幸せかい?

見せるものがないと、なにか困るのかい?」


ヘナマメは考え込んでしまいました。

それに、なんでそんな風に聞くんだと、ちょっと腹を立てていました。


モノシルさんは、そんなヘナマメをまっすぐ見て言いました。

「わたしは、知りたいんだ。ほんとうに、そうなのかどうか。

ただ、シンプルにそれだけなんだよ。」


ヘナマメは、ほんとうにそうなのかどうか、考えて言いました。

「だって、この穴をみてごらんよ。

ここには空っぽで、なにもないんだよ。

こんなに、つまらないことなんてないよ。」


そして、2人で穴を覗き込みました。


つづく。



by henamame | 2014-09-18 23:35 | お話/どん底シリーズ | Comments(0)